伝説のマンガ『頭文字D』。その舞台となり、数々の名勝負が繰り広げられた「秋名山」のモデルが、群馬県の榛名山(はるなさん)であることをご存知でしょうか。連載終了から時が経った今でも、その峠道や温泉街には、主人公・藤原拓海たちの息吹を感じようと多くのファンが訪れています。
今回は、榛名山のダウンヒルコースから、拓海とナツキのデートスポットである伊香保温泉の石段街、そしてリアルに再現された「藤原豆腐店」まで、ファンなら一度は訪れたい聖地を巡るドライブコースをご紹介します。
実際に車で走る際のコースのポイントや、現在だからこそ知っておきたい道路状況、さらに周辺のコラボグルメやマンホール情報まで網羅。単なる観光だけでなく、作品の世界観にどっぷりと浸れる「完全ガイド」です。愛車と共に、あの興奮の舞台へ出かけてみませんか?
頭文字Dの舞台「秋名山」のモデル、榛名山とは?
群馬県にある上毛三山の一つ、榛名山。作中では「秋名山(あきなさん)」として登場しますが、実際の道路や風景は榛名山がそのままモデルになっています。

標高1,000メートルを超える榛名湖周辺から、伊香保温泉街へと下る県道33号線が、あの伝説のダウンヒルコースです。

豊かな自然に囲まれたこの道は、新緑や紅葉の季節には多くの観光客で賑わう人気のドライブスポットでもあります。
聖地巡礼!秋名ダウンヒルコースを走る
それでは、実際に車を走らせて、マンガに登場した名スポットを巡っていきましょう。安全運転を心がけながら、拓海たちの走りに思いを馳せてください。
運命のスタート地点「ヤセオネ峠」
ダウンヒルバトルのスタート地点となるのが、県道33号線の「ヤセオネ峠」付近です。かつて有料道路だった時代の料金所跡地近くにある、給水塔が目印の広いスペースが、作中でスタートラインとして描かれた場所です。

現在は木々が生い茂り、当時の見通しの良さは少し変わっていますが、あの独特の雰囲気は健在です。ここから長い下り坂が始まると思うと、ファンならば胸が高鳴ることでしょう。ただし、一般道ですので、記念撮影などをする際は他の交通の妨げにならないよう十分注意してください。

作中の絶景ポイント「高根展望台」
スタート地点から少し下ったところにあるのが「高根展望台」です。ここは、マンガの第1巻などで秋名山の全景として描かれているアングルとほぼ同じ景色が見られるスポットです。
ここからは伊香保の温泉街や、遠く関東平野までを一望できます。作中のキャラクターたちも、バトルの合間にこの景色を見ていたのかもしれません。車を停めてゆっくりと景色を楽しめる数少ないポイントなので、ぜひ立ち寄ってみてください。
難所「5連ヘアピン」の現在
秋名コース最大の難所として描かれる「5連ヘアピン」。実際に地図上でも連続するヘアピンカーブが存在します。
しかし、現在この区間は「走り屋対策」として、路面に大きめの波状の凹凸(ハンプ)が設置されています。スピードを出して進入すると車体が激しく跳ねてしまい、まともに走行することはできません。これは、かつて多くの走り屋が集まりすぎたことによる安全対策です。
「溝落とし」を試したくなる気持ちはわかりますが、現在は愛車を傷めないよう、そして安全のために、ゆっくりと通過しながらカーブのきつさを体感するのが正解です。
湖畔に響く「メロディーライン」
榛名湖へと続く直線道路には、「メロディーライン」と呼ばれる区間があります。制限速度(時速50km前後)で走ると、タイヤと路面の摩擦音で音楽が聞こえる仕組みになっています。
榛名山で流れる曲は童謡の「静かな湖畔」。作中のバトルシーンとは対照的なのどかなメロディですが、榛名湖へ向かうドライバーへの歓迎の音楽として親しまれています。
伊香保温泉街でマンガの名シーンを追体験
ダウンヒルコースを下りきると、そこは伊香保温泉街です。拓海たちの日常パートで度々登場するこの温泉街も、外せない聖地の一つです。
拓海とナツキのデートスポット「石段街」
伊香保温泉のシンボルといえば、365段の石段が続く「石段街」。ここは拓海とナツキがデートで訪れた場所として有名です。
石段の両脇にはお土産屋や射的場、足湯などが並び、レトロな温泉情緒が漂います。二人が腰掛けて会話をした場所を探しながら、ゆっくりと散策を楽しむのがおすすめです。浴衣姿で歩けば、より作品の世界観に浸れるかもしれません。

拓海と樹が食べた「勝月堂」の温泉まんじゅう
石段街の最上部近くにある「勝月堂(しょうげつどう)」は、全国の温泉まんじゅうの発祥とも言われる老舗です。
作中で拓海と樹が石段に座って食べていたまんじゅうは、ここの「湯の花まんじゅう」がモデルだと言われています。皮はしっとりとしていて、中のあんは上品な甘さ。バラ売りもしているので、蒸したてアツアツをその場でいただくのが聖地巡礼の醍醐味です。

休憩スポット「伊香保神社」
石段を登り切った先にあるのが「伊香保神社」です。ここは拓海と樹が缶コーヒーを飲みながら語り合っていた場所として描かれています。

神社の境内からは伊香保の街並みと、遠くの山々が見渡せます。石段登りの疲れを癒やしながら、親友同士で将来や車について語り合った二人の青春を感じてみてはいかがでしょうか。
リアル「藤原豆腐店」に会える!周辺のおすすめスポット
榛名山と伊香保温泉だけでなく、周辺には『頭文字D』ファンなら絶対に見逃せないスポットが点在しています。

伊香保おもちゃと人形 自動車博物館
伊香保温泉から車で約15分ほどの場所にある「伊香保おもちゃと人形 自動車博物館」。ここには、なんと実在した「藤原豆腐店」の店舗が移設・再現されています。
モデルとなった豆腐店が区画整理で取り壊された際、看板や外装などが博物館に寄贈されました。館内には、主人公の実家の店構えが見事に再現されており、その前にはパンダカラーのハチロク(AE86)も展示されています。
さらに、原作者であるしげの秀一氏が所有していたRX-7(FD3S)も展示されることがあるなど、ファン垂涎の展示内容となっています。昭和レトロな街並みやクラシックカーの展示も充実しており、車好きなら一日中楽しめる施設です。

レーシングカフェ D’z garage
渋川市内にある「レーシングカフェ D’z garage(ディーズガレージ)」は、車好きのためのカフェです。
店頭にはハチロクやRX-7などのスポーツカーが並び、店内も車のパーツを模したインテリアで統一されています。『頭文字D』とコラボしたプリンやカレーなどのメニューもあり、見た目も味も楽しめます。ファン同士の交流の場としても人気があり、ツーリングの休憩スポットとして最適です。
渋川市内に点在する「頭文字Dマンホール」
渋川市は『頭文字D』とコラボレーションし、市内の各所にオリジナルデザインのマンホール蓋を設置しています。

これらは全部で7種類あり、拓海とハチロク、高橋兄弟、真子と沙雪のシルエイティなどが描かれています。設置場所は渋川駅前や伊香保温泉の石段街周辺、ヤセオネ峠など。ドライブの合間に、これら全てのマンホールを探し出す「マンホール巡り」も新しい楽しみ方です。
聖地巡礼ドライブの注意点とマナー
楽しい聖地巡礼にするために、いくつかの注意点を守りましょう。
- 安全運転の徹底: 峠道はカーブが多く、見通しの悪い場所もあります。絶対に無理な追い越しやスピード違反はせず、交通ルールを守って走行してください。
- 騒音への配慮: 榛名山や伊香保温泉周辺は、静かな環境で生活している住民の方々や、ゆっくり過ごしたい観光客もいます。空ぶかしや大音量の音楽は厳禁です。
- 冬季の走行: 榛名山周辺は標高が高く、冬場(12月〜3月頃)は積雪や凍結の恐れがあります。ノーマルタイヤでの走行は非常に危険ですので、必ずスタッドレスタイヤを装着するか、雪のない時期を選んで訪れてください。
- 路面の凸凹: 前述の通り、5連ヘアピンなどは路面に凸凹加工がされています。車高を極端に下げている車は底を擦る可能性がありますので、十分に注意して運転してください。
まとめ
『頭文字D』の聖地、榛名山と伊香保温泉は、マンガの世界が現実に飛び出してきたかのような興奮と、美しい日本の風景が同居する素晴らしい場所です。

伝説の峠道を自分の手でステアリングを握って走り、温泉街の情緒を味わい、リアルな展示物に触れる。そんな体験は、きっとあなたのカーライフにおける特別な思い出になるはずです。
今度の休日は、安全運転を心に誓って、あの熱いバトルの舞台へドライブに出かけてみてはいかがでしょうか。
